#14 我慢

レアルマドリーは以前のようには振る舞えない。

立ち向かってくる相手の前に立ちはだかり、王者として個人の力で相手の組織と精神を詰むことは出来なくなってしまった。

 

 

先日のPSG戦での大逆転勝利はらしさを感じさせるものだったが、内容を振り返ると2試合を通じて150分間をPSGに支配された。

勝利した第2戦においても、これまでとは違う戦い方で、よりアグレッシブにボールを奪いに行く策を講じたが、付け焼き刃の戦術は効力をほとんど持たなかった。

 

 

我慢の時だろう。クリスティアーノ・ロナウドが退団して以来、長く続いている我慢が、今一度必要だ。

 

明朝はCL準々決勝、相手はチェルシー

明日のゲームにおいても、マドリーはいつものように王者らしく振る舞うことはできないだろう。事実、チェルシーは前年度CL覇者であり、直接対決でもチェルシーに敗れている。名実ともに、マドリーがチャレンジャーの立場だ。

 

 

これまで王者の側として長い時間を過ごしたクラブの選手、ファンはこの構図を受け入れなくてはならい。少なくとも来夏、キリアン・エンバペが到来するまでの間は。

 

 

それは明日のゲームの内容についても言えることで、欧州のトレンドであるアグレッシブなサッカーを今のマドリーでは体現できないことは、この2ヶ月で世に晒された。

守備の時間が長くなるのは退屈で耐え難いものではあるが、チームは自陣に引きこもり、カウンターを狙うやり方の方がよく心得ている。慣れ親しんだ戦術を選択するべきだろう。

 

 

 

我慢の詰まった試合、そしてこの先のシーズン、ということになりそうだが、PSGに劇的な勝利をあげて手に入れたベスト8の切符を無駄にはできない。