#23 20年
初めてみた2002年日韓W杯から20年、ついに日本がドイツを敗る瞬間を目の当たりにすることができました。夢のようです。
ここでは、感情的な内容ではなく、日本の何が良かったのー?前半と後半何が変わったのー?なんてことを日本目線で僕なりの解釈でお伝えできたらなと思います。
日本のやりたいことは90分を通して徹底されていました。身体を張って守ること、奪ったら前田、伊東にボールを送ること。前半5分までの段階で3本以上長いボールが前田に向かって蹴り込まれた時点でこれは確定的でした。
守備の面においては遠藤、酒井、板倉、吉田、長友、全員が対人守備という面において高いレベルを誇っているので安心していましたが、開始後10分ほどで不安要素が見え始めましたね。
酒井宏樹です。彼はボールの奪い合いに高い自信を持っていること、ドイツの14番ムシアラを警戒しすぎたこと、この2点の要因から自分の背中のスペースを消すことを忘れてしまうシーンが3つほど見られました。その1つがPK献上のシーンのポッカリ空いたスペースです。ムシアラとボールを気にするあまりラウムの動きに全く目が向いていませんでしたね。あのPK献上で権田を責めることはできません。
前半もう1人、私が首を斜めにしながら見ていたのは久保建英です。彼に任された役割はおそらく「休憩」です。
90分間永遠と前田や伊東を走らせ、守備陣に耐えてもらうというプランは現実的ではないので、久保や鎌田のような技術の高いプレイヤーには、相手にボールを奪われず他の10人が呼吸を整えることのできる時間を確保して欲しかったのだと思いますが、久保はほとんど時間を作り出せませんでしたね。
さて後半、2つの不安材料と1つの失点を抱えてピッチに帰ってきました。
久保建英に代えて冨安でした。
森保監督の早く、鋭い決断だったと思います。酒井宏樹の背後のスペースを気にしたものの、酒井宏樹の高いフィジカル面でのアドバンテージを捨てたくなかった森保監督は、酒井宏樹の後ろに人を増やすことで対策しました。と同時に、久保建英という不安材料は早い段階で切り捨てました。
1つの交代で2つの懸念を消したことは讃えられるべき采配です。これで俄然自分の背中を気にする必要のなくなった酒井宏樹は速さ、高さ、強さの全ての点でラウムを上回り右サイドを支配し始めます。
そしてこの後、前田→浅野、長友→三笘という交代でチーム全体に「点を取りに行く」というメッセージを明確に付与しました。投入直後にヘディングでゴールに迫った浅野のプレーもそれを裏付けており、メッセージ性のある交代という意味でこちらも見事です。
しかしそう簡単に思うようにも行かず、新たな障害は生まれます。三笘が守備に回される時間が長くなり、酒井宏樹が大外を使うようになったことで内側でプレーする時間が長くなった伊東は消える時間が長くなりました。
そこで、伊東→堂安でした。森保監督のチームは、三笘がピッチに立っている時間は三笘のチームになります。ですが、そのためには前線でボールを握る時間を長くする必要があります。伊東よりボールを奪われないことに長けている堂安を投入することで保持の時間を長くし、その後三笘が得意な形でボールを持てるシーンが3度ほどありましたね。
それにしても、たった3回のチャンスを与えればドイツ相手にも確実に結果を出してくれる三笘は頼りになりますね。
ここからはもう、多くを語る必要はなさそうですね。
2失点目のドイツは正直酷かったです笑
シュロッターベック、ジューレ、ノイアーの怠慢な守備は僕がドイツ国民だったら罵倒していたに違いありません。
ただ、裏を返せば3人が舐めた態度を取るということはそれだけ難しい局面だったということです。ファーストタッチ、ブロックしながらの運び、そしてフィニッシュ。全てがワールドクラスでした。アグエロかと思いました。
そしてMOMの権ちゃん!
素晴らしかった。正直、僕が求めているGKのレベルではありません。身長の低さ、弾きどころの悪さ、キャッチor弾く の判断の悪さ、全てが今大会のGK最低レベルでしたが結局全部止めるならそれでいい!!
とにかく最高でした。待ち侘びた20年間。
コスタリカ戦も勝つよー。